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「交通マナー発展途上国ニッポン」

とあるカナダ人との雑談で、英語圏の文化背景についてマザーグースのお話などしている時に
彼から「日本では横断歩道で歩行者が待っていても車が止まらないけど、歩行者はいつ横断歩道を渡っているの?」と聞かれて、
私が「大抵の人は車が来なくなるまで待つか、走っている車の隙間を素早く通り抜けてるよ」って答えてあげたら、
彼は全然納得できない様子でした。(私がマザーグース風にちょっぴりとぼけた答え方をしたんですけどね☆)
カナダをはじめ欧米では横断歩道で歩行者が待っていたら「必ず止まって渡らせてあげる」のがマナーで
一見走り屋に見えるような若者でもしっかりと横断歩道で止まるそうです。
とは言うものの歩行者が自らの権利を主張して車にお構いなしに横断歩道を渡るというような文化でもあるんですけどね。

そして横断歩道で止まらないのは、ナイフを振り回して雑踏をかき分けているのと同じ事で
車という凶器を手に歩行者を威嚇して渡らせないという野蛮な行為と感じるようです。
そんな文化的背景で免許制度(試験場)としては運転技術は運転していればそのうち上手くなるから問題ないけど
歩行者保護ができない人は一生直らないから、というように人間性を判断されて免許が交付されるそうです。
きっと文化水準が高い国ほど歩行者優先で、発展途上国ほど歩行者というより人間の命自体が蔑ろ(ないがしろ)にされているようですね。
(免許が無くても車の運転ができる国はありますが、それでも事故になった時は免許を持っていないと過失割合がとても高くなるそうです。)

海外の横断歩道といえば、イギリスでは信号の代わりにオレンジ色の点滅する街灯を設置して横断歩道を目立たせていることがあります。
ここは歩行者最優先なので、横断歩道無視はとっても重罪に処せられてしまうそうです。
もちろん日本でも信号の無い横断歩道で事故が起きたら車が重罪に処せられるんですけど、いまいち横断歩道が目立たない気もしますね^^;
(ちなみに日本の「緑のおばさん」はイギリスでは「ロリポップおばさん」と呼ばれています、それは「STOPと書いてある丸い看板をつけた長い棒」がロリポップそっくりだからです♪)

他にはタクシーに乗ったときに「後部座席のシートベルトがついていない」とか
「太陽が沈んでからヘッドライトを点灯するのはタイミングが遅い」なんてことも言ってました。
西洋のマナーは勧善懲悪な文化的背景からくる思想で、法律で決められているからというより、
自分の安全は自分で確保していくという考え方と宗教的な博愛精神が強いと思います。

・信号の無い横断歩道での歩行者優先
・後部座席でもシートベルト
・早めのヘッドライトの点灯
これらは日本も交通マナー先進国を見習っていきたいところですね。

そしてマナーは一人ひとりの心がけから始まるので、今はできなくても、
できる人から始めて「皆が変われるキッカケ」を作っていければ
ゆっくりでも、何年も掛かっても、きっとココロの成長ができて、文化水準向上につながると思います。



運転マナーとして現状の環境に適応した運転方法を身につけるのもいいかもしれませんが、
惰性で運転していると「みんなが、そうだから」という口実を使って、だんだん鈍感になっていくと思います。
やっぱり、良くなろうという目標・理想をもって運転していった方が遥かに健全な精神が育てられるのではないでしょうか。
特にみなさんに実践してもらいたいのは、信号の無い横断歩道で歩行者が待っていたら
「喉もと過ぎれば熱さを忘れる」的な発想で横断歩道を通過してしまうのではなく、
特に交通量の多い道ほど、横断歩道で待ち続けている歩行者の立場になって率先して止まってください。
価値観を変えるには、まずは形から入るのが簡単です。とにかく体験して思い込みを捨てることが大切です。 食わず嫌いはダメですよ。
私は「歩行者が横断歩道を渡るときに、走らなくてもいいような雰囲気・環境を作りたい」と思っています。

そして周りの雑音に影響されずに自分自身のポリシーをもって正しいと信じたものに向かっていってください。


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2000-2009 文:りあ