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「信号の無い横断歩道の止まり方」
「信号の無い横断歩道では歩行者優先なので、車は一時停止しなければならない」と学科教本に記述されていますが
ただ単に「そう決められているから止まればよい」ということではなく
その決まり事がなぜ存在するかを考えなくては意識は向上しません。
私たち人間は、その意義を理解することができれば自ら進んで行動を起こすことができます。
そうなると「ルールだから止まる」ではなく「止まってあげたくなっている」と思います。
また、「止まらなければ」と思っていても実際に止まれないのならば、行動力がない(意思の弱さ)と言わざるを得ないでしょう。
何事も、最初の一歩を踏み出さなければ永遠に前に進むことはできません。
止まる理由は単純です。人の命はとても大切で、かけがえのないものなのは当然として
車が止まらなければ、歩行者は命の危険を感じるでしょうし
車の方が圧倒的なパワーを持っているので、もし車が止まらなければ歩行者は車が途切れるまで渡ることができません。
車を止めるというのは、歩行者の安全はもちろんのこと、歩行者の横断歩道を自由に渡る権利を尊重しているのです。
交通量が多く、車がひっきりなしに走っていて歩行者がなかなか渡れないような横断歩道では、
横断歩道を渡れずに困っている歩行者を無視して通り過ぎるなんてこと出来ませんよね?
さて、信号のない横断歩道の手前で安全に停車するには、比較的高度な運転技術が求められるかもしれません。
- よく知っている道なら横断歩道が近くなったら、あらかじめ速度超過に気をつけてスピードを控えめにします。
- 横断歩道予告の「◇のペイントマーク」や横断歩道の標識が見えたら横断歩道を渡りたい人がいるかどうかを確認します。
| 知らない道では、◇マークが見えたらスピードを控えめにしましょう。
カーブの先に横断歩道がありますよ。 |
- 歩行者がいるかいないか確認できないとき、もしくは「渡りたい」のか「ただそこに立っているだけ」か
分からない場合はスピードを少し落としていつでも止まれる準備をします。
※渡りたい歩行者を見分けるポイントは「歩行者が横断歩道の方を見て待っている」、「クルマの動きを確認している」などがあります。
| 街路樹などで見通しの悪い道は要注意。 対向車線側で待っている歩行者は発見しやすいのですが、
自分の車線側で待っている歩行者は陰に隠れて見落としがちです。 対向車が既に止まっている場合は自分の車線側に歩行者がいる可能性大です。 |
- 横断歩道で止まった時に路上駐車と間違われて後続車に追い越しされないように
歩行者を発見した時点で、ややセンターライン寄りに移動しましょう。
ハンドル操作をすることで車の動きが変化するので、後続車の注意を引くことも出来ます。
※注意を引くことで漫然運転している後続車が、うっかり追突なんてことも防ぐことが出来ます。
- 後続車との車間距離が短いときはポンピングブレーキを使って早めに制動予告(「止まりますよ」とアピール)します。
- 歩行者が安心して渡れるように停止線ギリギリよりも少し(2〜3メートル)手前で止まります。
※この時大切なことはピタッと止まらずにズルズル進んでしまうと、歩行者に「この車は本当に止まってくれるのかしら?」と思われ
歩行者は不審感から渡り始めることができません。メリハリをつけて止まりましょう。
- 横断歩道手前で停車すれば対向車も安心して止まりやすくなるので自分が先に止まって、対向車にも止まるキッカケを作ってあげましょう。
- 稀に後続車が追い越そうとすることがありますが、歩行者が渡りはじめようとしていた時は窓から手を出したりして、
歩行者がいることを後続車に教えてあげましょう。
※初めからセンターライン寄りに停車しておけば後続車の迂闊な追越を防ぐことができますし、
停止線より少し手前で止まることで横断歩道全体の見晴らしが良くなり周りの車が歩行者を見落とすこともなくなります。
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路上駐車と間違えられて追い越されないように、ややセンターラインに寄せて止まり
対向車が歩行者に気がついてない時はパッシングで対向車に知らせてあげたり
後続車が追い越しをしようとしている場合は右ウインカーや窓から手を出して注意を促してあげましょう。
ちなみに静岡県警では「思いやりパッシング運動」と称して 信号の無い横断歩道で止まる試みがなされています。
すごい事に、こちらが停車している時に対向車に向けてパッシングをすると 対向車が止まる確率がグンっと上がるようです! |
- 歩行者は自分自身の安全を確認してから渡り始めます。
※何回かに1回は、横断歩道を渡るつもりではなく、ただ立っているだけの人もいます。その確認が終ったら、すみやかに発進しましょう♪
この様に、安全に一時停止するには、ブレーキをただ踏むのではなく、後続車の確認も必要になってきます。
自分の運転だけではなく周りの状況にも気を配れる心の余裕が必要です。
ベテランドライバー目指してがんばってください。
横断歩道は、交差点や施設の出入口、歩行者専用道路など、他の場所に比べて歩行者の横断が多いところに設置されています。
せっかくシマシマ模様で目立つようになっているので活用しない手はありませんよね。
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横断歩道手前は追い越しも追い抜きも禁止です。
路上駐停車車両がいる場合、その側方を通過する際は徐行して歩行者がいないことを確認してから通過しましょう。
横断歩道の前後に車を止めてしまう意地悪な人がいなくなれば横断歩道での事故も減るはずなんですけどね。
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横断歩道の両側で歩行者が渡りたそうに待っています。
もう、こんなシチュエーションだったら、止まるしかないです!
やっぱり信号が「赤」だから止まるよりも、歩行者が待っているから止まった方が気持ちいいですよね(^^)
横断歩道では車からの視点ではなく、待っている歩行者の立場になって考えてあげましょう。
自分の後ろに後続車がいない時はそのまま通り過ぎた方が親切な場合もありますが、
後続車がたくさんいる時ほど歩行者が渡れずに困っています。
もしかして長時間待たされている歩行者が我慢できずに突然横断歩道を渡り始めてしまうかもしれません。
さらに信号のない(交通の整理されていない)交差点付近や横断歩道手前で歩行者がいるかどうかわからない時は
減速徐行義務が道交法38条で規定されているので
法律上も「横断歩道に歩行者が突然飛び出した」という言い訳は通用しません。
自分の都合ばかり優先したり、横断歩道で止まらなくてもいい理由を考えるよりも、まず横断歩道で止まりましょう(^^)
少なくてもアナタが止まればアナタが歩行者をはねることはありませんし、
みんなが横断歩道で止まろうと心掛ければ全然問題ないんです(^^)
歩行者を渡らせてあげるために止まった時、横断歩道の状況が分からない後続車が
勘違いしてクラクションを鳴らしてしまうことがあるかもしれませんが、
ご愛嬌ということで許してあげましょう♪ (こんな時、あなたの心の強さが試されますよね)
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2000-2009 文:りあ