道路公団発表の渋滞原因を見ると、3位は合流、2位は事故、そして堂々の第1位は「サグ部・上り坂」です。
上り坂の意味は分かるにしても、サグ部というのはどんなものか説明すると、
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実は「緩く」というのがポイントで、普通の上り坂ならば一目見てすぐに分かりますが
緩いと、上り坂であることに気付かず、車のスピードが遅くなってしまう原因になります。
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以上のようなサグ部による渋滞のことを「自然渋滞」と呼びます。
車間距離を詰めると、一見、沢山の車が走ることができるので渋滞になりにくくなるように感じますが、
サグ部やトンネルの入り口など、ちょっとした速度低下ポイントを切り抜けるのに必要な車間距離が保てないと
上記のように、車間距離を詰めたことがアダになり、あっと言う間に自然渋滞が始まってしまいます。
そのため高速道路には車間距離を確認するための看板が一定区間ごとに設置されているので
常に車間距離を意識することが渋滞にならないようにするための秘訣ですね。
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ここでエレベーターをイメージすると分かりやすいと思います。
1台のエレベーターが往復する間に、エレベーターに乗れる人よりも多くの人が集まると
エレベーターに乗れない人がどんどんたまっていきますよね?!
道路もこれと同じで、実はボトルネックをたった5%くらい超えるだけで渋滞してしまうのです!
ボトルネック(交通容量)は、まっすぐで平坦で幅が広い道で1キロあたり2,200台ということが知られていますが、道路の形状により変動します。
例えば時速72キロで車間距離が40メートル(2秒分)なら交通密度は1キロあたり25台の車が存在していることになるので
1時間当たり1,800台(時速72キロ×25台×1時間)の車が通過しているため、サグを通過する速度は時速23キロ(1,800台÷80台)となります。
渋滞中、高速道路では1キロあたり80台、一般道では150台程度の車が集中しています。
ということで、ドライバー個人個人が車間距離を空ける努力をしていても道路全体のボトルネックを超えるほどの交通量になると残念ながら渋滞が発生してしまいます。
一般道でも同様に1回の青信号で通過できないくらいの交通が集中し始めると、交差点がボトルネックになり渋滞が始まります。
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