次へ前へ     □ ホームページ > 安全運転の目次 > 横断歩道に信号がないと止まれない人の言い訳

「横断歩道に信号がないと止まれない人の言い訳」

歩行者が横断歩道を渡ろうと待っていても、なかなか車が止まらないことがありますよね。
そんな人達の思惑を考えてみましょう♪

こんな狭くて交通量の少ない交差点に信号をつけると、
信号が変わるまでの時間が無駄ですよね。
たった5歩だか6歩の道幅ですから。
一見、全ての横断歩道に信号があれば解決できる問題のように見えますが、
もともと車通りが少ない道では、せっかくボタン式信号などを設置しても
押しボタンで信号が変わるまで待ちきれずに信号無視して道を渡る人が多く、
誰もいなくなった横断歩道で信号が赤に変わるなんてこともよくあると思います。
結局のところ「交通の円滑さ」を考えると交通の少ない場所は、
そこを通過する時の状況判断でフレキシブルに対応することによって
信号が設置されるよりも円滑な通行を可能にしようと考えられているので、
信号の無い場所は普段より注意深く運転する必要があります。

さらによく考えると、もともと信号がないような場所ですから普段はほとんど人通りがないハズです。
例えば1日に20回、30回歩行者のために車が止まっても、全体的に見れば車の円滑な通行が阻害されるようなことはないでしょう。
しかも年配の方や体が不自由な方の場合、横断歩道を渡るのに時間が掛かりますが
信号が無ければ車は「歩行者が渡りきるまでの時間」にあわせて待つことができます。
やっぱり車の円滑さだけにとらわれて、肝心な歩行者の気持ちを忘れてしまってはいけないと思います。
車の流れが激しい横断歩道ほど車が止まらなければいけないハズです。
また車の円滑な通行のためにも、あちこちの「歩行者が極端に少ない横断歩道」に無意味な信号を数多く設置されるより
歩行者が必要な時に止まってあげたほうが絶対に素敵ですし、そのための横断歩道ですから。

もちろん商店街や駅前など人が多いところでは、歩行者を制限する意味で信号や交通整理が必要だと思いますし
現状で横断歩道の設置がまずいところもあると思いますが、
信号があれば止まる、無ければ止まらないというのは、極端でちょっと寂しい考え方ですよね。
もしかすると横断歩道で止まれない人は、自信の無さや気持ちの弱さを隠すために
「信号がついていない」と責任転嫁しているだけなのかもしれません。

ただし現実問題として片側2車線以上あったり、
車道の幅が広い道はスピードを出して走っている車が歩行者を見落としやすくなり危険なので、
そんな場所には是非信号を設置してもらいたいですね。
きっと歩行者も積極的に信号を利用するハズですから。

道路の機能として、道幅が狭ければ狭いほど歩行者優先となり、
道幅が広ければ広いほど車の円滑な通行が求められていると思います。

ちなみに理想を言うと、もし全ての車が横断歩道で止まることができるなら、
車線数が多く歩行者が少ないところほど信号をなくしたほうが車の円滑な通行を確保できると思います。
どうしてかと言うと1人の歩行者が渡りきるまで8車線あるとしたら、その全ての車線が赤信号になってしまっているからです。


「社会的な自己防衛本能があるから」

人は反社会的な行動をとる時、自分を正当化せずにはいられないので、合理的な理由を求めて「言い訳」を考えます。
残念なことに、良心的な人であればあるほど罪悪感を感じるので、この傾向が強くなるはずです。
そして、言い訳はある種の自己暗示なので、自分に都合の良い情報は重要に聞こえ、
都合の悪いことは重要性が低いと思い込む傾向にあるので、
一度思い込むと、長い間その「合理的な言い訳」に支配されやすいということです。
それでは、「よく聞く言い訳」を見てみましょう♪

「よく聞く言い訳☆」

後続車が少ない時は止まる
止まると後続車に迷惑が掛かりそう
横断歩道を本当に渡りたいか分からない
歩行者がいる時は徐行して通過する
対向車が止まった時だけ止まる
対向車がいるときに自分が止まると、歩行者が反対側を確認しないで飛び出しそう
対向車がいる時は止まる
信号があるところでも間違えて止まってしまうことがある
歩行者は車がいなくなってから渡った方が安全
横断歩道がたくさんあるから、いちいち止まりたくない
止まると追突されそう
横断歩道で止まると事故を目撃することが多くなる
みんなが止まらないから
歩行者のマナーが悪いから、車は律儀に歩行者を思いやる必要はない
少なくてもアナタが止まればアナタが歩行者をはねることはありませんし、
結局のところみんなが横断歩道で止まろうと心掛ければ全然問題ないんです。
信号が「赤」だから止まるよりも、歩行者が待っているから止まった方が気持ちいいですよね(^^)



そうそう、「場の空気」ってありますよね。
プレゼンテーションなどで周りの雰囲気に流されてしまって、自分の思い通りにできなかったなんて経験をお持ちの方もいると思います。
たぶんそれは緊張感とかそういうのでなく、その場の雰囲気をこわして、シラけてしまうのが怖かったのかもしれませんね。
きっと横断歩道も同じで、先頭車両が横断歩道を無視して走り過ぎてしまうと後続車達は
なんとなく出来上がった雰囲気に飲まれてしまい、そのまま横断歩道を通過していくのだと思います。
もちろん歩行者もこの「渡らせてもらえない雰囲気」を感じているので車が途切れるまで仕方なく待っています。
そのため我慢できない歩行者は車の隙間を見つけて駆け足で渡っていったり、
先頭車両が横断歩道にくる前に渡ろうとすることが多くなり、横断歩道で止まろうとしないクルマは危険な状況に陥りやすくなります。
特に先頭車両が一番見通しがいいので、横断歩道では先頭車両が止まるのが一番安全で
歩行者が横断歩道で待つ時間も一番短くて済むと思います。

 

関連記事:「横断歩道通過時のポイント」(危険予測編)
関連記事:「信号のある横断歩道」
関連記事:「All about 横断歩道」


次へ 前へ 目次へ戻る


2000-2009 文:りあ